犬の涙やけ、どう考える?原因・おうちでできるケア・動物病院を受診する目安
HITOWAN提携動物病院
西荻シルバ動物病院監修

「目の下の毛が赤茶色になってきた」「拭いても、またすぐに濡れてしまう」🐶💧
犬の“涙やけ”はよくあるお悩みですが、実は病名ではありません。涙が目からあふれ、目の下の被毛が濡れたり変色したりして見える状態の呼び名です。
見た目が似ていても、涙が増えているのか、涙がうまく流れていないのか、その背景はさまざまです。今回は、HITOWANの提携動物病院「西荻シルバ動物病院」の監修のもと、涙やけの考え方、おうちでできるケア、動物病院を受診する目安をやさしく整理します。
この記事のポイント 👀
✅ 「涙やけ」は病名ではなく、見た目を表す呼び名
✅ 涙の量・排出経路・眼表面の状態をまとめて考えることが大切
✅ 「涙やけ=アレルギー」「涙やけ=フードが原因」とは限らない
✅ 痛みや充血などがあるときは、早めに眼そのものの診察を

まず、「涙やけ」とは? 💧

涙には、眼の表面をうるおし、乾燥や刺激から守る大切な役割があります。通常、涙の一部はまばたきによって眼の表面に広がり、目頭にある涙点から涙小管、鼻涙管を通って排出されます。
このバランスが崩れて涙が目からあふれる状態を「流涙(りゅうるい/epiphora)」と呼びます。あふれた涙で被毛が長く濡れ続けると、目の下が赤茶色〜茶色に見えることがあります。一般に、この見た目が「涙やけ」と呼ばれています。
「涙やけ」は見た目の呼び名であって、病名ではありません。見た目だけで原因をひとつに絞ることはできないため、「なぜ涙があふれているのか」を考えることが大切です。
涙があふれる理由は、大きく2つ 👀

① 涙の量が増えている
結膜や角膜への刺激、炎症、眼の痛みなどがあると、反射的に涙が増えることがあります。
例えば、結膜炎、角膜の傷、まつ毛や被毛による刺激などです。アレルギー性結膜炎でも流涙がみられることがありますが、「涙やけがある=アレルギー」とは限りません。充血、かゆがる様子、目やになど、ほかの症状とあわせて考える必要があります。
② 涙がうまく排出されていない
涙点・涙小管・鼻涙管といった涙の通り道が狭い、詰まっている、位置や形の影響を受けている場合などに、涙が目からこぼれやすくなります。
また、目頭やまぶたの形、被毛・まつ毛による刺激など、顔まわりの構造が関係することもあります。実際には、「涙が増えること」と「排出しにくいこと」の両方が関わっているケースもあります。
小型犬・短頭種では、目頭まわりの構造が影響することも 🐶

犬種によって、眼の大きさ、まぶたや目頭の形、涙点の位置、被毛の生え方などは異なります。
特に小型犬や短頭種では、内眼角まわりの形、軽い内反、毛やまつ毛による刺激、涙の通り道の位置や圧迫などが、涙のこぼれやすさに関係することがあります。
涙の「量」だけでなく、涙の質、まばたき、眼表面の状態まで含めて確認することが大切です。
アレルギーとの関係は? 🌿

「涙やけ=アレルギー」とは言い切れません。
ただし、犬のアレルギー性結膜炎では、症状のひとつとして流涙がみられることがあります。また、アトピー性皮膚炎の犬では、涙液量の変化がみられたという報告もあります。
皮膚のかゆみ、耳の炎症、眼の充血、眼をこする様子などが一緒にみられる場合は、眼科と皮膚科の両方の視点で診てもらうと安心です。
「涙やけはフードが原因」は本当? 🍽️
食事がすべての涙やけの直接的な原因、とは言い切れません。
食物アレルギーが関係する場合はありますが、涙やけだけで食物アレルギーと判断することはできません。眼の炎症やかゆみ、皮膚症状、耳の炎症、消化器症状なども含め、獣医師が総合的に判断します。
そのため、フードを次々と変更する前に、まずは眼そのものに痛みや炎症がないか、涙の通り道に問題がないかを確認することが大切です。すでに療法食の指示を受けている場合は、自己判断で変更せず、かかりつけの獣医師に相談してください。
おうちで確認したい6つのポイント ✅
涙やけが気になったら、次の点を観察しておくと診察時にも役立ちます。
✅ 片目だけか、両目か
✅ 急に始まったか、以前から続いているか
✅ 眼が赤くないか、白く・青く濁っていないか
✅ 眼を細める、こする、まぶしそうにする様子がないか
✅ 黄色や緑色、粘りのある目やにが出ていないか
✅ 皮膚の赤み、かゆみ、耳の炎症、嘔吐・下痢など、ほかの症状がないか
左右の眼が分かるように、同じ明るさ・同じ角度で写真を残しておくのもおすすめです。
おうちでできる、やさしいお手入れ 🧼
目の下が濡れていたら、清潔な柔らかいガーゼなどで、こすらずにそっと押さえるように拭き取ります。お手入れの後は、水分が残らないようやさしく乾かしましょう。
眼のまわりの毛が長い子は、毛先が眼に触れていないかも確認します。安全に整えるのが難しい場合は、無理に自宅で切らず、動物病院やトリマーへ相談してください。
注意:人用の目薬、消毒液、洗浄剤などを自己判断で眼や眼のまわりに使うのは避けましょう。また、見た目をきれいにするケアは、原因そのものの治療とは異なります。
こんなときは、動物病院へ 🏥
次のような様子がある場合は、様子見を続けず、早めに動物病院へ相談してください。
⚠️ 眼を開けにくそう、細めている、痛がる
⚠️ 充血が強い、眼が白く・青く濁って見える
⚠️ 前足でこする、床や家具に顔をこすりつける
⚠️ 黄色や緑色、粘りのある目やにが増えた
⚠️ 片目だけ急に涙が増えた
⚠️ けがや異物が疑われる
⚠️ まぶたや眼のまわりが腫れている
痛みが強そうな場合や、眼の色・透明感に変化がある場合は、その日のうちの受診をおすすめします。
強い症状がなくても、涙が続く、繰り返す、被毛の下の皮膚が赤くなる・におうといった場合は、一度診察を受けると安心です。
病院では何を確認するの? 🔍

動物病院では、見た目だけでなく、眼そのものと涙の仕組みを丁寧に確認します。
✅ 眼の痛みや充血の有無
✅ 角膜・結膜の状態
✅ 涙の量
✅ 涙点や涙の通り道
✅ まぶた、目頭、まつ毛、被毛による刺激
✅ 犬種、年齢、いつから始まったか、左右差
症状に応じて、涙の量を調べる検査や角膜の傷を確認する検査などを行います。短頭種では、涙液の質やまばたきも診断のヒントになることがあります。
必要な検査や治療は一頭ずつ異なるため、獣医師の診察を受けて判断しましょう。
涙やけについて、よくある誤解 💭

❌ 「涙やけ=鼻涙管閉塞」とは限りません
❌ 「涙やけ=アレルギー」とは言い切れません
❌ 「涙が多い=涙の作りすぎ」とも限りません
大切なのは、涙の量、涙の排出、眼表面の炎症や刺激をまとめて考えることです。
まとめ 🌱

✅ 「涙やけ」は見た目の呼び名で、病名ではありません
✅ 大切なのは、「なぜ涙があふれているのか」を考えることです
✅ アレルギー、顔まわりの構造、眼表面の炎症など、原因はひとつとは限りません
✅ 気になるときは、まず眼そのものの診察を受けましょう
毎日のやさしいお手入れも大切ですが、涙やけが続くときや、痛み・充血・目やになどがあるときは、動物病院へ相談してください。
2026年9月に開院した、HITOWANの提携動物病院 🏥
西荻シルバ動物病院

西荻シルバ動物病院は、東京都杉並区・西荻窪に2026年9月に開院した、犬と猫の動物病院です。一般診療に加え、眼科・皮膚科の相談にも対応しています。
院内では、HITOWANのオリジナルフード全3カテゴリーを取り扱うほか、療法食も取り扱っています。日々の診察から得られる声を、HITOWANの商品づくりにも反映しています。
院長:髙橋 大樹 獣医師
比較眼科学会/日本獣医皮膚科学会 所属
所在地
東京都杉並区西荻北5丁目25-13 ライオンズマンション西荻第3 101

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ドライフード、フリーズドライ、手作りごはん。はじめての方には、少量から試せるセットをご用意しています。
※フードは涙やけの改善を保証するものではありません。持病がある場合や療法食を使用している場合は、かかりつけの獣医師にご相談のうえお選びください。
主な参考資料 📚
- Saito A, Iwashita H. Novel findings on the anatomy of medial canthus in dogs. Veterinary Ophthalmology. 2023;26(4):315-323.
- Delgado E, et al. Diagnostic approach and grading scheme for canine allergic conjunctivitis. BMC Veterinary Research. 2023;19:35.
- Vitor RC, et al. Shih-Tzu dogs show alterations in ocular surface homeostasis despite adequate aqueous tear production. Acta Veterinaria Scandinavica. 2024;66:3.
- Pe’er O, Ofri R, Sebbag L. Schirmer tear test-1 with open or closed eyelids: An evaluation in brachycephalic and nonbrachycephalic dogs. Veterinary Ophthalmology. 2025;28(1):21-27.(オンライン公開:2024年)
- Tear production as measured by Schirmer tear test-1 in dogs with atopic dermatitis. 2025.
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個々の犬の診断・治療に代わるものではありません。症状が気になる場合は、動物病院を受診してください。

